イタリアのメルカートで生ハムを買って食べる

イタリアでは、まだまだ冷房のない家庭が多くあります。

暑い夏。

なるべく火を使わないで食事を用意しようとするため、パスタや肉料理の代わりに、生ハムにサラダやパン、チーズというメニューの食事の頻度が高くなるようです。

イタリア修行時代、働いているレストランの賄いも、暑いから今日はパスタなしね!と、生のフィノッキオ(ういきょう、イタリア人は生で食べるのが好き)にオリーブオイルと塩、という日が週に2,3回位あり、苦しめられました。

当時の話は以前のブログに昔書きましたが、本当にきつかった!

生ハム、プロシュートはイタリアでは安いといってももそれなりの価格です。

スーパーで売っているスライスされてパックにされているものと、専門店でスライスして買う生ハムの味は全く別物です。

モデナでは、メルカートの中にお気に入りのお店があったので、いつもそこで買っていました。

甥っ子がJALのロンドン採用でクルーになったとかで、親日家のシニョーラに親切にしてもらっていました。

ハムは100gから売っていて、イタリア語の表示は4€/L’ettoという表示になっています。1ettoは100gという意味なので、100g4ユーロという意味です。500円ちょっとというところでしょうか。

注文するには、順番、列があるわけではありません。なので、自分が誰の後にその場に来たかを覚えておきます。

『キ トッカ?』次は誰?

『イオ』私!

という感じ。

外国人ということで、後から来た人に『私よ!』と先越されるというズルあったりするのですが、

モデナの人たちは優しく、周りの人が『この人の方が先にいたわよ』と言ってくれたりします。こんなこと、ほかの町ではあまりないのに、モデナやボローニャ、エミリアロマーニャの町では頻繁に経験しました。

『ウン エット ディ プロシュート ディ パルマ、ペル ファヴォーレ』

パルマ産生ハムを100gお願いします。

パルマ産といっても熟成何か月等色々あるので、ここは予算に応じて指でさせばOKです。

100g、4ユーロ位でとても美味しいものが買えます。

時にはお買い得品でカット済のものや切れ端を格安で1ユーロ位で売っていたりします。

100g1ユーロ。日本人には読みにくいのですがこれは『1』と 『ユーロ』の表示です。

注文はカットの好みがあれば伝えます。

『ソッティーリ、ソッティーリ』

超薄切り、

といつもオーダーするご年配のシニョーラがいました。

店主に聞くと、毎日かかさずお昼の12時頃に来て、切りたてのパルマ産生ハムをきっちり100g買って帰るそうです。

向こう側が透けてみえるような超薄切りが好みだそう。

イタリアに行く機会があったら、是非、市場で生ハムを買って食べてみて下さい。

パンも一緒に置いているお店もあり、そんなお店ではお願いするとサンドイッチにしてくれます。

 

今、店では、フリウリのサンダニエーレの生ハムをお出ししています。

修行先、エミリアロマーニャ州、パルマの生ハムは有名でとても美味しいです。

フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のサン・ダニエーレの生ハムは、

サン・ダニエーレ・フリウリというコムーネだけで作られています。

生産量はパルマに比べて圧倒的に少なく三分の一以下ではないでしょうか。

どちらもそれぞれの美味しさがあるのですが、せっかくなので、生産量が少なくデパートなどでも購入しにくいサン・ダニエーレ産をご用意しています。

店では注文が入ってから、ふんわり柔らかく、口の中で脂がとろけるように、薄切りにカットします。

 

ご近所の方は、お持ち帰りもできますので、是非お試しを。

 

 

ティジェッラ(ティジェッレ)焼きました

ティジェッラ(ティジェッレ・複数形)は丸い手の平サイズの、
小麦粉や全粒粉に、ラルドと水と塩を加え
専用の器具で焼いたエミリア・ロマーニャ州のパンです。

その専用器具を入手して半年。

やっと焼きました。

イングリッシュマフィンのような丸形のパンに、横に切り目をいれ、好きなものをはさんで食べます。

 

昔モデナに住んでいた時、チェントロにティジェッレ専門店があり小腹がすいた時に、よく買っては歩きながら食べたものです。
ハムやチーズやヌテッラなど、挟む具によって値段が変わります。

モデナのペーストと呼ばれるラルドとニンニク、パルミジャーノ・レッジャーノとローズマリーを合わせたものが一番人気。

熱々の焼き立てのティジェッラでラルドの脂がじゅわっと溶けて、それが生地に染み込み、これは太りそうだな、と思っていても、ついつい食べてしまいます。

このティジェッラ、もともとはモデナの山の方で食べるられていたそうです。
白いパンが食べられない貧しい時代に全粒粉で作った、とモデナの山の方の出身の友人に聞いたことがあります。

ティジェッラを焼く器具がたいてい4枚か7枚用なので、一度に沢山焼くことができないので、今はあまり家庭で作らなくなったと聞いたことがあります。パン屋ではほとんど見かけません。

大量生産用のものがスーパーで売っていますが、これは残念ながら味の方はいまいちです。

モデナの旧市街では、ニョッコフリットと同じくティジェッラも食べられるお店は見つけにくいのですが、タクシーで10ユーロほどかけて郊外に行けばニョッコフリットやティジェッラを出してくれるお店があります。

他の地方では食べられないエミリア・ロマーニャ州のパン、ティジェッラ。

とてもおいしく焼けたので、これから店で出していこうと思います。

モデナのペーストも作ったので、お楽しみに!

 

 

ボローニャのお勧めレストラン その2

ボローニャでは民泊、Airbnbの『casa di zoe』に以前泊まりました。

その時の記事はこちら

そのオーナー、ラウラさんお勧めのレストラン。アパートが面している道を北西に徒歩5分です。

予約必須。

1937年創業の『Torattoria da Me』トラットリア・ダ・メ。

da Me というのが私の、私の家、という意味なので、

我が家のトラットリア、みたいなイメージの店名でしょうか。

祖父母が戦前にオープンした小さな食堂をお孫さんが引き継いで、

今では地元で人気のレストランです。

 

trattoria da me

 

栗のパッサテッリとラディッキオと茸、パルミジャーノのソース

 

カルチョーフィを詰めたウサギのロースト、ジャガイモのソース

 

カルチョーフィとパルミジャーノのクレーマ こちらは、肉の入っていないメニューをお勧めして出してもらった一皿。

 

仔豚のロースト

 

パンナコッタ

活気がある、可愛らしい雰囲気の店内。

典型的なボローニャ料理に一工夫加えた美味しい食事を楽しめます。

ボローニャ、食の都と呼ばれる街でお勧めのレストラン その1

イタリアのボローニャは大好きな街です。

ヨーロッパ最古の大学があることから、学生の多い活気のある街で、そのためレストラン、カフェ、バー等も新しい店がどんどんオープンしています。

十数年以上前イタリアに滞在していた時に、すでに日本食料理のお店やおしゃれな寿司バーがオープンしたり、おしゃれなカフェや自然派ワインを出すワインバー等がありましたが、今はまた更に色々なお店があるようです。

そんな中、老舗の部類に入るお店?、『Da Pietro』は地元の人にも観光客にも人気のあるボローニャの伝統的な食事や手打ちパスタが楽しめるトラットリア。

予約は必須。

上から見ても下から見ても顔になるちょっとユニークがショップカード

ラディッキオとペコリーノ、梨のサラダ。

カボチャのスープ

ボローニャの定番、タリアテッレアルラグーボロネーゼ

 

スモークした2種のチーズをたっぷりかけたほうれん草の手打ちパスタ

ドルチェは写真がありませんが、家庭的なトルタがイタリアらしい素朴な美味しさです。

店内は席と席の間が結構狭く、にぎやかな感じですが、地元の人、観光客が入り交じって、楽しい雰囲気で食事ができます。

サービスもテキパキとしていて気持ち良く、英語も結構通じます。メニュー名さえわかれば、指差しでもいけます。以前お客様にお勧めしましたが、とても喜んで頂けました。

次は滞在したAirbnbのオーナーお勧めのお店を紹介します。

 

 

 

手打パスタ、色々

修業先、イタリアのエミリア・ロマーニャ州は手打ちパスタが有名です。

一般的に南イタリアは乾麺、北は卵の入った手打パスタがよく食べられると言われていますが、北を流れるポー河流域は稲作地帯で、よくお米料理も食べます。ミラノでは黄金色のサフランとパルミジャーノのリゾットが代表的名物料理になっていますし、ヴェネチアでは魚介のリゾットやイカ墨のリゾットも有名です。

これは小海老とパプリカのリゾット。サフランのソース。ディナーでお出ししています。

エミリア・ロマーニャを代表するパスタは、ボローニャのタリアテッレ・アル・ラグー、ボロネーゼと言われるミートソースの手打タリアテッレが代表的です。

店でもよく出しています。

ランチでもお出ししているラグーのタリアテッレ

そして薄く伸ばしたパスタとパスタの間にお肉ラグーとベシャメルソースを重ねてオーブンで焼いたラザニア。

これはイタリア全土の家庭で食べられる家庭料理でもあります。
野菜だけのラザニア、魚介のラザニア、リコッタチーズのラザニア。
色々あります。寒い時期に熱々を食べるのが美味しいですね。

 

こちらは店で作ったカペレッティ。エミリア・ロマーニャを代表する詰め物パスタです。

帽子のような形から、帽子型パスタなどとも呼ばれています。
ほうれん草とリコッタを包んだものやカボチャをペースト状にして包んだものが人気です。家庭でも作りますし、お惣菜やパスタ屋さんのショーウィンドーにこの詰め物パスタは並んでいます。

これはモデナの市場のお惣菜屋さん。手作り手打ちパスタやニョッキが並びます。

宮崎の霧島高原純粋黒豚のカペレッティ アスパラガスのソース ディナーのメニューです。

トルテリーニ・イン・ブルードという、スプーンに8個ものる位小さな肉を詰めたパスタを丁寧に作ったブロードとともに食べるのも冬のエミリア・ロマ―ニャでは外せない一皿です。

まだまだ色々なパスタをその季節の食材と合わせてご用意しています。
続きは、また別の機会に。