カフェアルティ・エ・メスティエリ

イタリアの師匠、ジャンニ・ダマートシェフのレッジョ・エミリアにあるレストラン、『カフェアルティ・エ・メスティエリ』が閉店する、

そんな知らせがインスタ経由で入ってきました。

ジャンニシェフの元で修行していたのは、もう、17年前のこと。
モデナとボローニャの間の小さな街、レッジョーロにある『リゴレット』が1つ星で、当時は最も勢いがあるレストランの1つとして知られていた頃。

ちょうど、僕が働いている時に2つ星になって、毎日毎日本当に忙しかった。レストランでの仕事の合間にシェフがテレビ番組に出るのに同行したり、ミラノやローマのフェアに呼ばれたり。

それはもう、休む暇がほとんどない位。イタリア人って優雅にカフェでも飲みながら仕事しているイメージがあったのに、休憩、食事なしの何時間連続労働?どこまで働くんだ、と驚いたものです。

でも、2012年にエミリアロマーニャ州を襲った地震で、17世紀の貴族の館を改装していた『リゴレット』は修復できないほどにダメージを受け、閉店することになってしまいました。

それからシェフ一家はレッジョ・エミリアに移り、『カフェアルティ・エ・メスティエリ』を開いて8年。すっかりレッジョを代表するレストランに。

そこに今回の新型コロナ感染症拡大。

ロックダウン下のイタリアで、テイクアウトやデリバリーや朝食を始めたり、

カペレッティの発送、つい10日程前にも週末のメニューのお知らせがあったので、あまりにも急な知らせにショックで言葉が見つかりません。

 

リゴレッティーノを開店して12年目にして初めて1週間店を休みにしてジャンニシェフに会いに行った時の写真

やっと来たか!とシェフに言われ、

オープンしてから初めてこんなに長く店を休みにしたんです、ここに来るために、と伝えました。

明るい陽射しが入る、賑やかな店内の心地よいおしゃべりを聞きながら、スペシャリテのカボチャのトルテッリを食べました。

 

これは、翌年。スタッフの石井がレッジョエミリアに行き、ジャンニシェフのもとで修行しました

ジャンニシェフが閉店を知らせたインスタのメッセージに添えられていた詩。

『NON、話さない、のわらべ歌』

カフェアルティでの8年間については話さない、
パンデミアについては話さない、
困難について話さない、

デリバリーを試みたことについて話さない、

地震については話さない、
リゴレットについては話さない、

私達の気持ちについては話さない、
料理に対する私達の愛を話さない、

でも、皆に感謝を伝えます。私達を支えてくれたことを。
私達の料理は死ぬことはない、必ずどこか別の場所で、rinascera、再び生まれるでしょう。(rinascere、ルネッサンスの語源)

そしてインスタの投稿には今まで一緒に働いてきたスタッフへのメッセージ。(左下が石井です)

写真に写ってるスタッフも、写っていない今まで私達のために働いてきた元スタッフも、

それぞれの夢を実現できますように、

と。

 

 

新しい場所の、新しいレストランでジャンニシェフに会えることを楽しみにしています。

それまで私達も頑張ります。

 

 

賄い

今日の賄い、レモンクリームの手打ちタリアテッレ。

twitterに賄いを上げたりしているのですが、美味しそう!テイクアウトで販売して。等とお声を頂きます。

店にあるものをやりくりしながら、

賄いはスタッフの石井がいつも工夫をして作ってくれています。

ニョッキや

 

グラタン

ナンを焼いてカレーと

パンを焼き、チキンカツバーガーに。

ピラフとハッシュドビーフならぬハッシュド鹿。

写真をこうやって並べてみると確かに美味しそう。実際美味しい。

午後の仕事の活力になる賄いめしです。

営業時間の変更

政府からの緊急事態宣言を受け、1月8日から2月7日まで営業時間を変更致します。

ディナーの開始時間を17時半、19時アルコール提供終了、20時閉店と致します。

ディナー開始時間は18時までとなり、皆様にはご不便おかけいたしますが、

少しずつでも感染を減らし、明るい日常が戻るように協力したいと思います。

 

 

エミリア・ロマーニャの微発泡濁りワイン

店のワインを選ぶときは、どうしても長くいたエミリア・ロマーニャのワインが気になってしまいます。

今ではメジャーの仲間入りをしている、エミリア・ロマーニャの赤微発泡ワインのランブルスコも、日本に帰国した頃は甘口しか市場に出回ってなく、辛口となると扱ってるインポーターさんは数えるほどでした。

白微発泡の辛口なんてほぼ皆無。地元トラットリアで良く飲んでいた、生ハムとティジェッラやカボチャのトルテッリに合うあの口当たりの良い微発泡の白が店で出せたらな、と色々探しては見つからず落胆したものでした。

そんなオープン当時から15年。

日本で飲めるエミリア・ロマーニャの美味しい、とびきり美味しいワインの種類がいかに増えたことか!

こちらは6年以上前からのお気に入りのワイナリー、クローチ。

地葡萄オルトゥルーゴ100%。フィルターにかけない濁り微発泡。

同じワイナリーのカンぺデッロは期間限定のワイン販売の免許を取って最初に紹介したワインだからか、

今までワインリストに載っていても、控えめにお勧めしても、、、そんなにオーダーが入らなかったのですが、急にオーダーが多く入るようになりました。
インポーターは『相模屋本店』という浅草で130年続く酒屋さんなのですが、インスタで人気が出てこのカンペデッロにも注目が集ったようで、追加で仕入れようとしたらあっという間に完売になっていました。

去年12月頭にリリースされた画像のワイン、ルビーゴは仕入れ後ワインリストに載せる前にクローチ好きの一部のお客様にお出ししている間に店の在庫もなくなり、インポーターの在庫も、またまたあっという間に少なくなってしまったようです。

洗練されたワインではありません。泡も強くなく、ぐびぐび飲める『ザ・地酒』的な柔らかな味。

少量再入荷しましたので、よろしければ店内でも、お持ち帰りでもどうぞ。

お持ち帰りの価格はインポーターさんの販売価格と同じです。