オーストラリア産仔羊のコンフィ、63℃で12時間。只今のディナーの肉料理。

コースの肉料理、オーストラリア産の仔羊を12時間かけて63℃でゆっくりじっくりとコンフィにしています。

時間をかけて低温で火入れをしているので、とても柔らかく仕上がっています。

仔羊のコンフィ

食べやすいように骨とかぶりの部分は外しています。


かぶりはミンチ状にしてサルシッチャのようにした挽肉を包んで添えているので、また異なった味わいをお楽しみいただけます。

春が旬のお肉は、仔牛と仔羊と言われています。

春が牛と羊の出産時期で、その時期に生まれた、草を食べる前の乳飲みの仔牛、仔羊の肉がフランス・イタリアなど欧米では最高級とされてます。

彼らはこの食材がレストランに出ると、春を感じるのだそうです。

キリストの復活を祝うお祭り「復活祭」イースターは、イタリア語でパスクア(Pasqua)と呼ばれます。
この時お祝いで食べるのも仔羊料理です。

復活祭当日は、十字架にかけられたキリストが復活する日。「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決められているため、毎年日付が変わります。

大抵3月~4月末で、今年は4月4日でした。

パスクワの時期は一年のうち最も子羊の消費量が多いのだとか。

 

リゴレッティーノの今回の仔羊料理は、ほんのり酸っぱい梅のソースと柔らかい春キャベツを合わせています。

日本で梅と言ったら、早春、梅干し作りの梅はもうそろそろ出荷が始まるころでしょうか。

日本の春とイタリアの春を合わせた一皿、是非お試し下さい。

 

 

仕込み、タリオリーニ

手打ちタリオリーニの仕込み。

イタリア語で「切る」を意味する言葉を、タリアーレ(Tagliare)と言いますが、タリオリーニは、この(Tagliare)を語源としています。

パスタの生地を薄く伸ばして、細く切って作るからです。

 

食通の間では有名な町、イタリア、ピエモンテ州アルバ。

アルバは白トリュフで世界的に有名です。シーズンになるとアルバのあらゆるレストランで出しているのが、パスタにシンプルにバターとパルメザンチーズ と 白トリュフを合わせた一皿、『白トリュフのタヤリン』です。

『タヤリン』は『タリオリーニ』が変化したピエモンテの方言です。

 

タリオリーニはトリュフ以外にも、肉、魚と色々なソースと合わせます。

修行していたエミリア・ロマーニャ州のリゴレットではオマール海老から取った出汁がベースのソースに、生と過熱した両方の海老を合わせたパスタを出していました。

 

タリオリーニは 3 mm ぐらいの太さの 細い麺です。 

店でもよくお出ししている、同じく「切る」=(Taglialre)を語源としているバスタ、タリアテッレとの違いは その幅です。 タリアッテレは幅8 mm ぐらいありタリオリーニの倍以上の幅があります。

 

こちらは前回のメニューでお出ししていたタリアテッレ。

こちらは現在のメニューの熊本産アサリとウドのソースのタリオリーニ。

タリオリーニを今まで出してこなかった理由の一つは麺が細いので伸びやすいからです。

今はコースは少量多皿のコースになっていて、一皿のパスタの量を少なくしているので、ようやくタリオリーニを組み込めるようになりました。

これからも色々な種類のパスタをメニューに組み込んでいくので、どうぞお楽しみに。

空豆と桜エビのパスタ、ランチ、ディナーでご用意しています。

現在のランチ、ディナーのすべてのコースに含まれているパスタです。
空豆と桜エビのスパゲティ。

空豆をペースト状にして、

オマール海老から取った出汁と合わせたソースがしっかりパスタに絡みます。

 

空豆は子供のころから大好きで、シーズンになると必ずメニューに取り入れます。

先月までのコースでは空豆のフォカッチャを焼いていました。

10年以上前にテレビ朝日の番組『食彩の王国』で『空豆のイタリアン』として料理を3品ほど紹介されました。
その番組をご覧になった方が、放送された料理の一つ、甘くない空豆のプリンを食べたい!と電話をくださいました。

遠方から来てくださったそのお客様は
今でも食事にいらして下さいます。有難いことです。

 

空豆はイタリアで良く食べていました。モデナ旧市街の中央市場の行き着けの八百屋さんで、キロ単位で売ってるのを買って。

手にする量はすごくても、鞘の中味はとても小粒。2キロ買ってもあっという間に食べてしまいます。

 

皮ごと食べる、とイタリア人の同僚から聞き、茹でて、皮ごと食べてました。

日本の空豆に比べ、ずっと小粒の空豆の皮は柔らかく、さわやかな白ワインと抜群の相性。

トスカーナでは、春の到来とともに生の空豆を羊のミルクで作ったフレッシュなペコリーノチーズとともに食べるそうです。

生!と驚き実際試してみると、えぐみもなくさわやかな味。

一口、そら豆を食べ、
一口、ペコリーノ、
一口、ワイン。

その繰り返し。
春を感じるイタリアの思い出です。